【服装の描写】
服装の描写ですが、
《落ち着いたる色合いをばしたるる灰色厚毛のオーバーコートに其れなる身をば包みて黒革の長パンツと白地に緑の縁が施されたるスニーカー》
下のリストのような格好をしているんです。
- 灰色の分厚い毛糸のコート
- 黒い革製のパンツ。レザーパンツです
- 緑の線が入った、白いスニーカー
何故、こういった格好をしているのかは、理由があるんですが、センスが良い格好ではないんです。
ともあれ、その理由のひとつですが、これは、
- 寒い冬なのに、暑く感じて、コートを脱ぐほどの距離を歩いている。
といったことを、表わしたかったわけです。
これは、距離を記さずに、距離を表わすひとつの技法です。
この《錠の1》では、距離を書いているようなものですが、何kmか?などとは、実は書いていないんです。
ここも、商業的な小説では、Kmで距離を表わすなりとして、移動にかかる部分は、簡単に描写をして、動きのある部分に移る。といったやりかたのほうが、好まれ、これは、小説の中の、何を観せたいのか?といったこととも、かかわっていますし、物語の中で、面白い部分というものが、あるわけです。この《錠の1》で、移り行く風景の描写をした理由は、その綺麗さそのものを表わしたかったことも勿論ですが、後の章の、ストーリーの伏線になっていることと、それから、これは全くの偶然ですも、10年後の現在の、実社会の伏線にもなっていたことが、驚いている部分です。
それで、これも、
と同じように、コントラストで、つまり、寒い冬なのに、コートを脱ぐほどの暑さ。という対比で、コートを脱ぐのは、登場人物で、これは、スポットライトと同じ意味になり、登場人物そのものを、映えさせようとしているわけです。
方法論は違うと思いますが、歌劇とか、HR/HMなども、こういった手法を使いますね。
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