この《錠》ですも、芋植えと観察官の孫娘とやりとりの話題に入ったわけですが、本来であれば、土の匂いやら芋の植えかたについてなどを記すものであるわけです。
ですが、それをしなかったのは、元々記していたことそのままにブログに投稿をしていることと、丁度、昨今の日本では、若いかたや学生さんなどによるところの、アルバイトにかかわらずもの企業さんに迷惑を掛けるようなSNSでの不謹慎動画などが問題となってもいることと、この小説の時間軸の何年か後にも、同じようなことでコンビニが沢山と潰れてもいることから、小説ではあれど、あくまでもたわいのない、ごく普通の人間模様に焦点を当てたかったことが理由です。
当時にコンビニが沢山と潰れたことは、野菜を売っていたことも関係をしており、農家さんのほうが強かったことや、本来であれば少なくとも何十年という月日を掛けて土を肥やしながらのことが、企業さんであれば直ぐの結果を求められることも理由のひとつとしてあったわけです。
コンビニに対する企業さんの対応もニュースで扱われており、上に記しているままですが、そのようなコンビニは実のところ多いですね。
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【錠の17】
保護観察中の△熱心とまではいかぬるまでも度々と観察官の宅にと訪問をばしており此の理由は処分中なるの者は三ヶ月に一度は観察官の元へと訪問をばせねばならぬる決まりのことでありてはまたそうとすることで観察官の孫娘である◇と知り合えたのことが大きくさては△と◇の二人が会うは観察官の宅だけではあるが勿論のことも二人は何かとよく会話をばしており◇の父親でもあるはずの当の観察官はといえば其な二人のことをば疎ましくに思うことなどはなく優しくに接しておるのある日のことであるに其はやはり仏の顔でありもうしたのか社会への復帰の為に用意をばされたる《芋植えプログラム》なるものに参加をばする旨△にと要請をばしたもので其を聞いたる△社会への復帰をばせんやという件を気にしながらのことではあるも観察官なるの顔もたてねばなどと渋りながらも参加の願いをば出したのでありてはさては芋植えなるの日となると運の悪いことに快晴となりて△其処では二番目の年長となりては下の者皆からに△に対して敬語をば使うて荷物まで持とうとしたことには驚いてからに流石に遠慮をばしておるところへ一番の年長者が気が付いて彼らには彼らなりの仕来りがあるのであるからにして其に素直に従うべきであろうとの言をば投げたのことに少しの幸いをば感じた△当初の話し相手にもの侘しさありがこれで救われたようでそのうちに彼らのほうから△に寄り行き何やらと話し掛けだしたるもので其が不思議である旨一番の年長者に問うや其の者は
『何がだよ?お前だって充分に不思議だぞ。それに、俺たちはどうせ今日の1日だけしか会わないんだから、それぞれが何処の誰で、どんな罪を犯して、どんな鬱積をした感情を抱えているか。なんてことの個人的な調査だかに精をだす大人なんかに愛想よろしくするよりは、問題を起こさずに今日を楽しく過ごすことのほうが重要なんだよ。 それから、矛盾をしているかもしれないけれど、他の仲間に迷惑を掛けない。というような暗黙の決まりのようなものがあるから、誰もお前が嫌なことはしないし、今後の別の日のことで誘いもしないだろう。 だから、もし話し掛けられることも嫌なら、そう言えば良い』
などと返したその後に
『勿論、皆で楽しく。だ』
と付け加えたもので其な彼らと同じ時間を過ごすに連れての△の心には彼らも一般人と何ら変わることのない普通の人間であるを知りてそのうちの一人に其のようなることをば話すや
『それはさぁ、大人が俺たちのことの利用をしているだけですよ』
などと笑いながらに返したもので其をば聞いたる別の者も話題に入りて言うは
『そうそう。見た目は普通だけれど、陰では何をやっているのか分かったもんじゃぁない。てね』
とのことで更に別の者も
『本当は、皆、それぞれの理由があるんですけれど、ちょっとやりすぎちゃっただけで。でも、訴えられるとこうなっちゃうんですよ』
『あの人たちは頭も良いし言葉も知っているから、大人はこうだ。などとすれば、別の意味にとるんですけれど、此方はそれすら分からずで、例え分かっても、言い返せないんです。 そのうちに、何処かでロンブンとかになって、頭の良い人だけで勝手にホーリツなどができて、想像をしていくんです』
などと話しながらも△は彼らの言い分にも成る程と思えたようでやはり一般人と変わらぬ旨再度の認識ができたのか独り言として
『こういったことも、いつか整理をして、プログラム中に呼びだすサブルーチンとして持てば、似たようなことの関連事案などに、今思っているよりは使えるかもしれない』
などとしたも声にでておるを気が付かずの様でありしでともあれその後も様々な話題で盛り上がり其はまるで旧来の友人であるように芋植えの思いでをば忘らんやというほどに楽しく過ごしたも其な一日が正に終わろうかという頃に一番の年長者が△に
『さっきの話だけれどな、こんなところにお前の言うような真の悪なんているわけがないじゃぁないか。お前は、ひょっとして、俺たちのことを、とんでもない化け物だとでも思っていたんじゃないか?俺たちもお前も、ただの人間だろうが。感情は人並みにあるし、やって良いことと悪いことの区別もつく。だからこそこうなっているんだけれどな』
などと言うもこの言葉に△は幼少の頃に観た近所にある二階建ての家なるの開け放たれた二階の窓部屋より奥の部屋の黄色い薄明かりの下で人間を食さんとしておる宇宙人のことを思い出しては独り苦笑をばしたもかくして芋植えの日は大団円をば迎えたのことでそれからの△高等学校も夜間のものにかわるもそれまでに取得を済ませておる単位が何やらのいざこざはあれどの何とか持ち越せたものであるからに通常の高等学校とは一年遅れとはなるも無事に卒業をばして在学中より勤めておるの調理系の仕事に精をばだしてのしばしでありてさては高等学校をば変わるは鑑別所帰りとのことで風当たりが強くにそれまでは良い仲での者やら年下の者等までが白い目で見始めたことも理由のひとつでありてはそれらで集まれば別からにして恐ろしうはないと思うてのことであらんやなるもそうであるので△にしては芋植えなるの時分に出会うた者等とどちらが人間であるのか分からぬようになりおりなものでこの頃に観察官の孫娘である◇に次のようなる電子の文をば宛てたのことで
『お久し振りです。以前に僕が話した自己改造プログラムは、その後も続けておられますでしょうか? さて、突然ですが、僕は高校を変わりました。高校は卒業証書を受け取ったということが重要であり、転入先にしても、このような僕を受け入れて頂けるのであれば、何処でも良かったんですが、周りから白い目で見られることが面倒でしたので、夜間の学校に変わりました。 夜間といっても、通常の高等学校に通えないかたや、働いているかたが、勉学や卒業の資格を得る為に通う学校で、実のところ、朝からやっているんです。 そして勿論、その学校の教師は僕の素性を知っていますが、他にも色々な生徒がいて、昼の間は働いているかたや、悪い人もいて、教師はやくざのように恐いんです。 そんなですから、ここでは僕などはそれほどには目立つ存在ではなく、それが良いんです』
◇とは別に観察官にも連絡を入れておる△であるが其な宅へと訪問をばしたの時分には
『自分が悪いことをしたのだから仕方がないんですけれど、最低限、高等学校は卒業をしたいので、仕事をしながらでも頑張って通いたいですね』
などと漏らしては△のこれな言を当の観察官本人の前ではあくまでも其な孫娘として接しておる◇が二人に茶菓子を出したの時分に聞いており後に△に
『父に言っていることと私に言っていることが違うのは何故?』
などと電子の文をば宛てたるもので此に対しての△は
『嘘は吐いていませんよ。ただ、あなたへのメールでは、観察官に伝えたような、自分が犯してしまったような後悔の念を書いていないだけですし、高等学校の卒業証書のことは、言いかたが違うだけです。 僕のような保護観察下の者は、観察官に良く思われたいと考えるものですし、印象もだいじですので、仕事をしながらでも、と強調をしたわけです』
などとしたもこのことに◇は納得ができずに首を傾げつつも
『メールには、言いかたが違うだけと書いているけれど、何だか変。だって、まるで他人の分析をしているような文章だもの』
と直ぐの返信をばしたに△も直ぐの様と
『あぁ。あなたが言っているのは、典型的な多重人格のことですね。例えば、人は幼児期の辛い体験などから、自分の中に別の人格を作りだして、やがてはその人格が独り歩きをするようになる。というやつですね。 僕の場合にも、いっぽうでは分析の担当をする人格がいて、それは他の人格を知らないというような』
『そうは思っていないし、そうじゃぁないでしょう?だから違和感があるの』
電子の文でのやりとりが段々と面倒に思うた△
『どちらにしても、おおかたの人はそんなことには気が付かないですし、よしんば気が付いたとしても、言葉の使いかたが変だとの違和感を覚えて、内心で苦笑をするだけで、大した問題ではないんです。 誰も先ほどの文章から、多重人格の話を持ち出したりなんてしませんよ。 それに、何か理由があって、僕がそうとしているかもしれないでしょう?』
などと乱暴な文章を返したが◇は凝りずに
『???いきなり多重人格の話を持ちだしたのはあなたのほうでしょう?どういうこと?』
との返しにいよいよを持ち面倒が表へとでた△は
『つまり、あのままであれば、会話の流れから、やがてあなたがその話を持ちだす。ということです。ですので、先に自分でだしたんです。 そんなことより自己改造プログラム! おっと、今日のことは観察官には内緒にしておいて下さいね』
此のように結んだがその後に◇が幾ら電子の文をばだそうとも返信をばせなんだのこと。
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