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【錠の続きの催促】

【錠の続きの催促】 この投稿は、2021年は7月の20日にメッセンジャーに記していた雑記を、ブログ用に纏めたものです。 そうですね。 タイトルは有り難い意味と致しましてですよ。 これですね。当時に亡くなられましたのかたの名前で、何か来ているようです。 錠 は丁度そこで止まっていまして、幾つかは出てきたんですけれど、幾つかは出てこずですが、まあ当時にデジタルデータにしてもいますので、もう少し掛かりますけれど、じきに再開を致します。 ブログ nguyenkieuanh がはじまってからしばらくとして、当初はそんなわけはない旨あったようですも、何年前がどうと記していましたらば、やはり知ってのかたがいるようです。 *当時の話は合っていますし、他幾つかのところにもですし。 仕事と言いますか、記せませんの部分は別と致しましてですも、登場人物も沢山と出てくるようになり、それらの台詞の掛け合いと行動でストーリーが進行をしていくという、ここ20年ほどの流行りの型でもありますの部分であり、 ライトノベル のような感じの部分に入り、同ノベル的な探偵ではなけれどの、そのような展開の部分です。 その後に、子供をどうとか夫婦ごっこであるとか、警察が探しても逃げ果せたとか、怖い部分です。 最後は年数が経ち、病院での侘び寂びと余韻です。 それからですも、ブログが一大 叙事詩 のようになることに気が付きました。 これはこれと致しまして、今のところですも、 メッセンジャーに記した時期 ブログに投稿をした時期 で分けるしかないですも、きちんと記しますと面白いですので、いずれ 小説の形式 にしてみますのことも面白いですね。 もっと時間が経ってからですけれどね。 Subscribe to nguyenkieuanh Subscribe to ynimk ma1d3n Facebook yositaka akase ma1d3n Kindle yositaka akase

【錠の21】

/*——- 【錠の21】 いざ面接の日に該当の店舗へと入るの△は店内をば一見しては店の隅やら商品の陳列をしておく為なるの棚の至るところに塵芥が堆積をばしておる様なるのが目に付きて其を少しばかりと気にしておれば其の中で水色と白色の縦縞の仕事着に其の身をば包んだ店員がさながらに機械のように業務をばこなしておるのに唖然としたが何時迄もそのままというわけにはいかずと一人の店員に 《すいません。面接のお願いをしたものなんですが…》 と声をば掛けた次第のことであるもこのようなる時の△は決して思うておることの終いまでをば言葉にすることはなく故意に中途で切りては其によりて引き起こされるる相手の挙動の一切の観察をばする癖ありここでも当然にして『面接のお願いをした者』の後に続くはずの『だからどうした』の部分を口に出すことなくに声をば掛けたる店員の挙動をば観察をしておれば其な店員が少し待てというもので了解をばすると別の店員にことのあらましを伝えに行くものであるにあいや仕方なしと観察をば止めたの△ではあれど僅かに何十秒かの間ではあれど声をば掛けたる店員の行動の切れ端を記憶に焼き付けることができたようではありが頭の中で捏ねておるのしばし後に先ほど声をば掛けたる店員から事情をば聞いたる店員が△のほうへと寄り来ては 《直ぐにオーナーさんが来られると思いますので、少しの間、裏で待っていて下さい》 などと言うのでそれをば了解としての△は 《あ、はい》 と応えたも返答の頭に『あ、』の付加をすることも△の癖の一つでありこれには相手の言を返答をする前に一端飲み込むことで充分に咀嚼をしておると思わせる為からのことでこれがあらかたは上手くいくようでありそもそも一般的なる思考回路を持つ者は経験則からそのように判断をした者でよしんばしどろもどろと思われたにしろこれが△の観察癖を更に上手くいかせておるのようであるが実際のところは咀嚼などはしておらずに只機械的にそう返しておるだけのことでありこれが中々に難しいようで△をして此れの習慣化をさせるまでにはかなりの月日を要したようであり周囲の者の大多数に△とはそのような奴であると自然に思わせねばならずにこれがまた骨の折れる作業であるようで継続は力なりと言う文句を正に現在進行形で証明をばしておるのようと考え

【錠の20】

/*——- 【錠の20】 良いのやら悪いのやら結局のところは宅の近くのコンビニエンスストアでの採用をばもらえそうなるの△ではあれど幾らかの気懸りがあるようで其なひとつはまた◯に会えようやと心の何処かで期待をばしていたからにそれであれば向島の道路沿いのコンビニエンスストアが良けれと思うてのことであるのようがこうとなりさらばえては再びにして◯に会うこと最早叶わじと諦める他なくしかし△の思考回路は運命の歯車をばどうにかして回すことをば弾いておるようで是正に電気信号が縦横なるの様なりとくれば周囲の者火傷も辞さぬ覚悟を決める他になし。 ——-*/ ma1d3n Facebook yositaka akase

【錠の19】

/*----- 【錠の19】 ◇のことをば鬱陶しくに思うた△は彼女の前から姿をば消す為に勤務をばしておる場所をば変わらねばならぬであろうと考えたるようでそれまで余暇施設で従事をばしたるる調理の仕事に見切りをば付けるのことそそくさでそのように決めたる後の△の行動迅速なりし取り敢えずの収入の確保をはかるる為にか何軒かのコンビニの面接をば受けて回りその仕事を選んだ理由のひとつは向島の同処の前で○をば見掛けては其な後をば付けたのことからのようでもうのひとつは○が落としたるる手袋をば持ち帰りたる様なることからであるようで其な△ 『僕は何と始末の悪い性格をしているんだろう』 との言正に性格の一端をば表わしておるのことでありてはさては向島のコンビニの前は早々と不採用になりしで流石に今後長くの生活のことをば考えたのか 『コンビニではなく、正規の雇用のほうが良いことは分かるけれど』 とは言えどもすれ違うて後をば付けたるだけの他には何も知らぬる○にまた会えるかも知れぬからと一縷の望みを抱いては其な鍵はコンビニであると勝手に考えてのよう。 -----*/ ma1d3n Facebook yositaka akase /*----- 【2019/10/08 追記】 メッセンジャー にこれを記した時分のことてるすが、何件かのコンビニ 強盗未遂 のようなことがあったようです。 -----*/

【錠の18】

丁度錠の粗筋というか、骨子をメッセンジャーに記した時分のことですが、とある 歌手 が巻き込まれた 洗脳 についてのことが放送をされていました。 また、この投稿の年代のことと今とでは、しまなみ海道にしても全くと違い、芸術祭や他のことなどでも、良くなってもいる面もあるようです。 これは単なる 物語 ですが、厚みが増すこと有り難いですね。 /*----- 【錠の18】 二年の月日はあれよという間に過ぎ行きてはそうとしておるうちに△の保護観察処分は解けたも◇とは電子の文でのやり取り以来何処かぎくしゃくとしておるものであるからにして次第に会うの理由がなくなるの△としては◇との関係をば更なる密にとせんが為からにもも少しなりと時間をば掛けたりとしたいに似る気の持ちなるのようではあるもともかくにして処分が解けたることをば素直に喜んでおりまたこの頃に△幼少期をば振り返ることが多くとありさては半ば廃墟と化したる街のことを思い返せば其処は静かと沈み暮らする者皆々草臥れての下ばかりを観ておるのことを確かと覚えておるのであろうが現実には自身の知らぬるところや知らぬる時の間にしても街の中に居る者々皆からにして此な時代をば逞しくに生きておるのことであるものでさてはこの頃の丁度に一大なる事業として興されたる『しまなみ海道』なる施設も観光の名となるの所のなさから此の街は他の街への通過点にすらなれておらずであり地元の新聞やら同なるの雑誌などがこれで景気が上向くなりやとこぞり報じたも事態は逆に窮まり本土と繋がる橋はあれどの街は正に瀬戸内海に浮かぶる孤島と化したに其な事態をば見据えての△刻の市長に電子の文をば宛てておるも其は読んですらもらえずは当然でならばと市政に関係をばする者の下へと幾度か訪ねてみるも 『若僧が!何言うものぞ!其方宣いしこと正に気が触れておるとしか思えんに今の今に言うたることは正気の沙汰であるのかぇ』 などと一喝というには幾分なりと長くの言をば投げられてはおつきの者にも一笑にふされるだけとくれば何をばしに訪ねたのか分からずがしかし△が存外に扱われたのには別なるの意味があり『しまなみ海道』施設には来る日の此な街をば他市にと吸収合併をばさせる為なるのことであり街に住む者等の反発をば逸らする役割をば持つのことで言うなれば両方が組みとな

【錠の17】

この《 錠 》ですも、 芋植え と 観察官 の孫娘とやりとりの話題に入ったわけですが、本来であれば、 土の匂い やら 芋の植えかた についてなどを記すものであるわけです。 ですが、それをしなかったのは、元々記していたことそのままにブログに投稿をしていることと、丁度、昨今の 日本 では、若いかたや学生さんなどによるところの、アルバイトにかかわらずもの企業さんに迷惑を掛けるような SNS での 不謹慎動画 などが問題となってもいることと、この小説の時間軸の何年か後にも、同じようなことで コンビニ が沢山と潰れてもいることから、小説ではあれど、あくまでもたわいのない、ごく普通の人間模様に焦点を当てたかったことが理由です。 当時に コンビニ が沢山と潰れたことは、 野菜 を売っていたことも関係をしており、農家さんのほうが強かったことや、本来であれば少なくとも何十年という月日を掛けて土を肥やしながらのことが、企業さんであれば直ぐの結果を求められることも理由のひとつとしてあったわけです。 コンビニ に対する企業さんの対応もニュースで扱われており、上に記しているままですが、そのような コンビニ は実のところ多いですね。 /*----- 【錠の17】 保護観察中の△熱心とまではいかぬるまでも度々と観察官の宅にと訪問をばしており此の理由は処分中なるの者は三ヶ月に一度は観察官の元へと訪問をばせねばならぬる決まりのことでありてはまたそうとすることで観察官の孫娘である◇と知り合えたのことが大きくさては△と◇の二人が会うは観察官の宅だけではあるが勿論のことも二人は何かとよく会話をばしており◇の父親でもあるはずの当の観察官はといえば其な二人のことをば疎ましくに思うことなどはなく優しくに接しておるのある日のことであるに其はやはり仏の顔でありもうしたのか社会への復帰の為に用意をばされたる《芋植えプログラム》なるものに参加をばする旨△にと要請をばしたもので其を聞いたる△社会への復帰をばせんやという件を気にしながらのことではあるも観察官なるの顔もたてねばなどと渋りながらも参加の願いをば出したのでありてはさては芋植えなるの日となると運の悪いことに快晴となりて△其処では二番目の年長となりては下の者皆からに△に対して敬語をば使うて荷物まで持とうとしたことには

【錠の16】

【錠の16】 ここまでで、 鑑別所 のことが済みで、次からは場面が変わり、 観察官 とその娘さんとのやりとりに入ります。 何ら綺麗な表現はなく、状況を記すだけの 日本語 の羅列となっておりますが、全体の一部としては、そのような箇所もあるかなとは思いますが、 ブログ 用のものは、分けていますので、短な箇所があることから、これが目立ちます。 *実際の 錠 は、繋がっており、 ブログ 用に小分けにしたものとはまた違います。 /*----- 【錠の16】 其れなある日のことであるが夕食を摂りながらの△ 『出所日が二週間も延期だなんて。模範的にやり過ぎて、かえって怪しまれたか?』 などと考えており此れは正解で当の△には出所後に分かることではあるが馬乗りになり何度も殴打をばした男は市会議員であり鑑別所内では中々どうして模範的なる態度をば崩さぬ△に対して 『これは相当な大物が来た』 と鑑別所員達も思うのほどでありもうのひとつの理由は所内では二週間毎の入出所を旨としておるからでありそうこうとしておるうちに延期の二週間も過ぎ行きのいざの出所日となるやもうの一度裁判所まで赴いての△二年間の保護観察処分というおまけ付きでの社会復帰が許されたのこと。 ma1d3n Facebook yositaka akase 下がこの投稿に関連をするページへのリンクです。 【錠の16】に関連があるページ群

【錠の14】

/*----- 【錠の14】 さては△あるとき女性の鑑別所員に 『△君。今度、家族のかたが面会に来られたときにでも、いくらかのお金を貰っておくといいわよ』 と言われたるるもので其れならばと両親が面会に来た折に何百円かの硬貨の要求をばした△であるに其をば聞いたる両親 『それっぽっちでいいのか?』 と焦燥をばしたるる顔の目をば少しの間丸くとしたもまさか自分たちの息子がこのようなる犯罪をば犯した挙句に鑑別所にまで送還をばされるなどとは思いだにしておらずに育てかたをば間違うたかとか期待をば裏切られたかというよりは裁判をば受けたる時分の△と同じくにただただ呆ける他なくして涙流してしばしの後に面会室をば出たも当の△両親の気の持ちようをば何処までと理解をばしてようかのことでさては鑑別所内で資金をば必要とするものは其れほどには多くはなく菓子の他には洗面用具やら最低限の生活用品だけでありてそれらの購入をばする価格も相場の何割かであるに千円の札が一枚とあれば一週間以上は困ることはなしで元々があまり悪ぶる態度をば取ることのない△普通に生活をばしておれば模範囚であるも毎朝起床と同時に行なわれる体操だけはあまり好きにはなれずにおりさしたる運動などはしておらずも何故であるのか食事は特盛りの麦飯におかずもこれまた特盛りで当初の△麦飯が何であるのか分からずに 『ご飯の中に黒いものが沢山浮いています』 などと本気で鑑別所員に問い質して大笑いをばされたもお粥や雑炊の類ではなく飯であるので浮いておるのではなくて正しくは混ざりおる訳であるがそれであるので余計にと其れらをば食べきることは辛い作業でありて入所からしばらくの間はその麦飯をばどうしても口に運ぶことはできずがやがてそれにも慣れたのことでさては入所時には個室に入れられた△自身が当初に思うたより余程快適なる暮らしができておることも幸いとしてか模範的であり幾度か両親が面会に来た時分にも落ち着いて一通りの会話をばしてみせたものであるにそのようなる生活の態度が認められたのか割と早くに八人ほどで使うことを前提としたるる大部屋にと移ることとなることに私事をば気にはすれど入所者の数の少なさ故から其れな大部屋をば二人で使うることができもうしはまるで修学旅行やら何やらの合宿かというようなる気分をば味わ

【錠の15】

/*----- 【錠の15】 カツン…カツン…… △と少年が居る大部屋の前の廊下を夜中に誰ぞが通り行く音がするものであるに△傍で眠る男に目をやりながらもどうせ鑑別所員の見回りであろうなどと 『全く。あのブーツの音が響いて眠れやしない』 布団の中で悪態をば吐いたも其な後で 『ブーツ???何故僕は、鑑別所員がブーツを履いていると思ったんだろう?』 と訝しんだがかつかつとしたるる音は一端は遠退きまた近付いてはかつ!と一際しかとした音と共に大部屋の前で止まりたもので△布団の中からそろぅと其な鉄扉のほうへと目をばやると暗くて顔はよく見えなんだも水火夫服ともいうじょんべらなる服に銃剣をば携えたる男がじぃと見ておるので此は何ごとかと恐ろしさが込み上げ何とか傍で眠る男を起こそうとするも左半身に何やらとしたるる重みをば感じたものであるに其方にと目をば落とすやこの世のものとは思えんほどに恐ろしい形相をばしたるる△の母親が今正に△の首に手をば掛けようとしておるのさまを見て 『うわぁ!』 と布団を押し退けて叫んだ△であり自身の叫び声で目をば冷ました△只今のことは夢であるやと気が付きしは一息吐いた後で傍で眠る男を見るやまるで何ごともないようにすやすやと眠り続けるままであるに△今の叫び声が実際のところは発生が成されなんだのや?などと考えていればまたにして廊下を歩く者の気配がするものでありてはこれまた自身たちが居る大部屋の前で止まりて部屋の中を覗くものであるに△速く何処かへ行けなどと念仏のように唱えをするのであるが音の主は 『△君。隣で寝ている子の迷惑になるので、自分が眠れなくても、あまりぶつぶつと言うのは、感心をしないよ』 などと言うもので其が鑑別所員だと気が付きし△心底安堵なるのさま。 -----*/ ma1d3n Facebook yositaka akase

【錠の13】

/*----- 【錠の13】 さては△そのままにして鑑別所へと連れ行からんのことで着いたと同時のまずは全ての持ち物の検査をばされたも此処まで直のことであるに持ち物はといえば両親が留置所にと面会に訪れたる時分に差し入れたる幾らかの着替えと数冊の一般心理学書にジークムント=フロイトだかの錯誤に対する研究文に啓蒙書に小説とみるからに怪しげなるものだけでありて其を見たる鑑別所の係り員が 『これだけ?此処までは留置所から来たんだよね?』 などと訝しんでおるので△はこの時初めて留置所では様々なる物の差し入れをば頼んでよい旨知るもしかしどちらにしろあれな留置所内ではそのようなる気分にはなれなんだろうとは考えたようで次いで所内での注意事項をば語り始めたる鑑別所員が△の其な考えをば遮りて言うのことは外から持ち込んだるものについては寝具以外は一旦鑑別所に預けて出所時に返却をばされる決まりとのことも別段と異論などはないようではあるにひとつ読みかけの本が読めぬとはちらと頭をよぎるだけのその後は前後左右の計四回と腰から上をばぐるりと撮影をばされたるのであふが時に△の胸中をば察したのか鑑別所員は 『こんなことを言っちぁあ何だけれど、色んな悪い子を観てきた僕からすると、君はとても真面目に見えるし、こんな本を読んでいる子が此処へ来ちゃぁダメだよ』 などと優しくも幾分と残念そうに言うもので締まりが悪くの△ 『はい』 とだけ応えてたのことでさては幾らかの決まりごとをば除けば鑑別所内は快適なりしまずは生活の態度を見る為から提供をばされたる縦長の部屋には冷暖房の完備がされており正坐が義務付けられてはおるも時折にして足をば崩すを認められて静かに反省をばするにはほどよくかなり大き目なる図書館兼卓球場も完備をされており三日に一度ほどは鑑別所員やら他の入居者達と卓球とは名ばかりの素人のぴんぽんをば楽しむこともでき更に何百円かの金銭さへあれば時折にして鑑別所員の配る菓子さへ買えたのことであるに普段は菓子など食べぬ者も所内で暇をば持て余すとあれば此れよく売れたのこと後で聞くに其の菓子は地元の者の差し入れだとのことでこのようなるところでも商売か?と思うたの△時間はあるので此れについてもしかと考えて自身の懐をば痛めずと金をば手に入れる方法の整理ができたよ

【錠の12】

/*----- 【錠の12】 さては腸が煮えくり返りおることなどおくびにも出さぬる△に刑事は 『留置所は寒いだろぅ?』 となおも親切なる言葉をば投げるも其れな言葉通りに夜になるや留置所は更なる冷え込みをばみせたるもので部屋の隅にと備え付けられておる便器には蓋がなく排泄物をば流す為なるの水にしても勢いよくは流れぬので自身の排泄物の匂いが鼻についたる△冬だというに便器の周りに小虫が湧くをみるにつけてはうんざりとしては年末の凍える夜を毛布とは名ばかりのぼろ切れに包まりてはがたがたと震えながらと過ごしたるるものであるが犯行をば認めてからの△には時折にして交代をばする守衛が熱い珈琲の差し入れをばしたも其れでさへ耐えるに難し寒さに涙とも鼻水ともつかぬる液体で顔をば濡らしており守衛の一人が駐在所の巡査であろうと分かるやお互いにこんなところでやきが回ろうもんなどと話もしたが其も寒さ凌ぐ術とならずのことが一方でA署にまで面会にと訪れたる△の両親に刑事は 『大丈夫。あいつはもう、充分に反省をしたし、悪いことをすると、こうなるぞ。などと、多少きつ目の脅しをかけておいたから。 それに、どうも被害者のほうにもやましいところがあるようなんで、すぐに帰ることができるぞ』 などと絆したも間の悪いことに丁度この頃少年犯罪の凶悪複雑化に伴いて少年法の改定がされたに其な引き金をば引いたが『サカキバラセイト』による事件で△にしても其れとは知らぬ間に民事裁判をば受けるることと相成り裁判の日が何時の間に決定をされたのかさへ知らぬ裁判の当時の朝早くに留置所の部屋から出て直ぐの左の脇にある一昔前までは五右衛門風呂といわれていたような風呂に入らされては頭も身体も濡れ鼠のままに広島にある裁判所にまで連れられる運びとなりたるもので車の後部座席の真ん中に座らされるや次いでのことは体育会系と思しき紺色のスーツ姿の厳つい男が二人と間髪をば入れずに△をば挟むるようにして座り広島の裁判所に着くまでの間其れな二人に両脇の圧迫をばされたる△は身動きひとつとできずに三人はびしょ濡れの始末がさては裁判所の壇上へと立ちて此れから始まる裁判の予行演習をばしておる自身のことが何処か他人ごとのように思えたようでいざ裁判となるも時間に遅れて入室をばしてきた分厚い眼鏡の裁判官が小声なるの早口であ

【錠の11】

/*----- 【錠の11】 △赤いハンカチの家をば覗くはある日のこと以前に一階の裏口からドアノブにと手をば掛けようとしていた時分のこと向こう側から扉開ける者ありて其の者とはたと対面をばしたるるを思い返しておればこの日も其の者出て来たもので両者暫くと驚き静止をばしておるも程なくして其の者立ち去ろうと歩み始めるのことが其れな瞬間に名も知らぬる此れな者へと△飛び掛かりて 『お前らがそんなだから!』 などと訳も分からずの叫び声をばあげながらに強烈なる足払いで其の者を倒すや即座と馬乗りになりては其れな顔面に何度かの拳をば入れたるもので其れ突然なることに驚いたる其の者何事ぞ!と叫びながらに抗うは必死のことがそれでも構わずの△其の者をば殴り続けたるる後にようやくと其れな手が止まるると今よ!とばかりに△をば押し退けて一目散の其の者まるで颯の如しでその後家へと着いたる△も気をば落ち着けたる後でよくよくと考えてみるや何故あのようなる行為に及んだのやら自らも皆目見当が付かずにこれは流石にまずかろうと思うておるところに案の定と警邏からの連絡が入り 『あぁ、△君?A署の者だけれどね。ちょっと、君に聞きたいことがあるので、A署まで来てくれないかな?』 とのことでA署の少年係りと名乗る警邏は電話口で確かにそうと話したもいきなりのことに頭が混乱をばしておるようすの△以前に自分に対して暴行をばしたるる者のことやと勘違いをばして駐在所のほうへと出向いてしまうのこと至極当然もA署の少年係りと名乗る二人が駐在所に来るまでは大した時間も要さずにしてそのままA署にまで連行をばされたる△俗に言うところのお縄となり申しでA署に来てからというもの三つほどとある部屋の真ん中の取調室で即時男を押し倒した挙句に殴打をばした件で取調が行なわれてさて其れな部屋は簡素ではあるものの暗がりができぬるように計算が成され尽くした配置となりおり強面なる警察官の顔に線引く其の皺までがよく見えたことが余計と△に恐怖をば掻き立たせたるるもので口をば開くこと叶わずに黙りをば続けることあまりなことに業をば煮やした警察官は 『君は僕らが少年係りだからと馬鹿にしているようなんで、これからは、刑事係りの人に、取調をしてもらうことにするから』 などとあながち脅しとも取れぬることを言

【錠の10】

【錠の10】 です。 大きなものから、少しずつ狭めて、風景があり、自然や街並みがあり、街があり、街の中でのことがあり、そこで生活をする人がいて、個人に焦点が当たり、その個人が何を考えているか?ということがあるわけです。 この次から、節が変わります。 扱うことが、個人を主になる。ということです。 /*----- 【錠の10】 △が中学へと入る頃となるや此の街の景気は更に逼迫をばしており大人達が口々に言うのことは今は日本中の景気が悪いからやとのことで仕事を求めては他県にまで出て行く者増えしこと重なりては△の目には此れな街がさながら廃墟の如くに影をば落として学び舎にしても生徒数の維持すらできずにこりゃ大変で△未だ幼き頃には五つだか六つだかと賑やかなる小学校も此の頃には生徒の数半分となりさらばえて此れな状況をば鑑みたる教師の言として 『お前らが大人になっている頃には、もっと酷い状況になっているぞ』 とのこと及ばずで生徒にしても日々の親々の態度から皆一様に己の将来に対する不安を抱えることありしも些末で日々の勉学やら遊びに勤しむこと手一杯なるにそれどころではないが正直なるところで今々現実にと差し迫るる此れな状況をば大人達も打開できずに其は元来から田舎の牧歌的なる暮らしが生活の土台となる者ら故其れな者共窮地を脱する術持たずは至極当然なりしで口を開けば 『今は日本中がこうだから』 そうと繰り返すしか他なくこの頃になるや桟橋から女達の姿ぽつりぽつりと消え行くのことで其は生活の厳しさと何もない此れな街にと嫌気がさしてのことで多くは此処より大きなる街へと移る次いでにガイジン漁りなるの火遊びも綺麗に忘れそこなところはやはり女よのと年寄り連中も言いし△にしても既に此れな街の状況には達観をばして興味の大半は赤いハンカチのぶら下がる家へと向いて其れな家の前をば通るが日課となりおり今日も何時もと同じく桟橋からの帰りのすがら赤いハンカチの家へと立ち寄るのことがまたしても何時ぞやなるの女が二階の窓辺から道端の△にと声をば放りて言うは 『おぅい、少年。学校は如何したの?』 とのもので其に返する△気取り気味に 『その気になれば、僕は誰にも負けやしないよ』 で此れな言は正しく△は自身の見聞した事象を

【錠の9】

【錠の9】 /*----- ある日の桟橋からの帰りのすがらの△以前に黄色い薄明かりの下で踊るるの二つの影をば観たるるの家なるの前をば通るや二階の窓辺にと赤いハンカチのようなるものがぶらりと下がりおり其をば観たるる△やはりあれは宇宙人が誰ぞを食するところで其れな宇宙人がいよいよを持ちて仲間をば呼び出して此れから沢山の人をば食するのや!などと幼い思考力で思案をばした末に赤いハンカチのようなるものはさながら仲間との交信手段やなどと心底恐ろしくなりては家路にと急いだもので家に着くや否や今しがた観て来た光景をば母にと尋ねてみれば 『あぁ、この辺りには、自衛隊さんや船員さんを、泊めている人がいるのよ』 などと△の母は大人の情事については巧く暈して言うも納得のできずにおる△に溜息をば吐きながらに 『お前にはまだ分からないだろうけれど、この辺りは、ちょっと前までは、遊郭のようなことが流行っていて、道行く人に、女の人が、二階の窓から、おいで、おいで、と、手招きをするのよ。 それで、窓から赤いハンカチがぶら下がっている日はOK。つまり、他のお客さんがいないってことなのよ』 などとするも其をば聞く△やはり何のことやらさぱりであり寧ろおいでおいでをするという部分だけが増幅をばされたる恐怖となりて何日も脳裏を離れずにそれなものでまたまたにして布団の中で眠れぬ夜をば過ごす羽目となりさらばえた△其れから暫くの間は其れな家をば意識的に避けておるもやがて恐怖が和らぐや何の気なしに其の家の前をば通りしもうたと思うのことが既に遅く其の日も二階の窓からは赤いハンカチのようなるものがぶらりと垂れており窓から迫り出した女が△に 『おぅい、少年。そんなに人ん家が珍しい?』 と声をば掛けるのことで其の上意地悪そうにくすくすと笑うのが恐ろしく△またにして一目散に逃げ出してはの次の日に桟橋に出るや間の悪いことに其れな女も其処へとおり△に気が付くやすすと寄り来て意地悪そうに笑いながらと 『赤いハンカチのことは、内緒だよ』 と言うの瞬間に△の背筋に冷たい感触が走るも其を女に悟られぬように精一杯に頷いてみせたのこと。 -----*/ ma1d3n Facebook yositaka akase /*-----

【錠の8】

【錠の8】 /*----- 今日も桟橋にと出ておる△既に辺りは暗うになりくりこれな時間帯になるや女達も船から降りたる仕事帰りの亭主やら息子と歩を同じゅうにしてぞろぞろと家路に着いておるのであるが其れな大人達の相も変わらずの草臥れたる顔色をば伺いながらに△も桟橋から上がりては家路にと着いたも途中にとある二階建てなるの家の二階の窓が開いておるを見て取るや持ち前の好奇心がどうしても其れな窓をば覗かせたるようでありどうやら電灯の黄色い薄明かりが窓部屋より一つと奥なるの部屋から洩れており其れな薄くに淡い光の中で女のものらしき人影がぬるりと動いては更にある時は身体をば前後に揺らしておるように見えてまたある時は仰け反るようなるのがどうしても気になる△其れな窓から目をば離せなんでおるや暫し今度は別なるの影が女のものらしき影の下からにゅるりと伸び出たるるもので其をば見たる△まるで壮大なる光景の映画でも観ておるかのようにますますと食い入る様もやがては下から伸びてきた影消え程なくして其れな家の一階の裏口から五十はいこうかという男が出てきたのであるがこの男が今しがたの影の一つだということをば本能的に察知をしておる△であるも男に睨まれたるものであるに訳も分からずと只面食らうの様が慇懃にして踵を返し立ち去るの男でありて其の後で我に返ることができた△が何ごとぞ!と今一度二階の窓にと目をばやるや白のシーツに包まる女一人窓辺にと肩肘をば掛けて△をばじぃと観ておるものであいやこりゃ見てはならぬものをば見てしもうたというようにその場から必死に逃げ出した△ではあるも夜中になりても其れな恐怖は和らぐことなく布団の中でがたがたと眠れぬ夜をば過ごすのことが一方では黄色い薄明かりの下で踊る二つの影がとても神秘的にと思えたようで日に日にあれなる部屋への興味は募るるのこと。 -----*/ ma1d3n Facebook yositaka akase /*----- 【2018/06/07 追記】 この 錠の8 に、面白いものや下らないもの、テレビやネット、現実と、普段やっている以外に、珍しいものが関連付きました。 珍しいものの幾つかを、取り敢えずですが、記しておきます。 日本放送作家協会 。文化団

【錠の7】

【錠の7】 /*----- 女達は今日も桟橋へと降り亭主の帰りを待つのことが口々に 『ねぇ、聞いた?佐川さんの旦那さんが、長期のお仕事が無くなったとかで、帰って来るんですって』 『そうなの?まぁ、佐川さんもまだ若いし、本音じゃぁ、亭主なんて、家に金さえ入れてくれりゃあ、帰って来なくてもいいって思ってるんじゃないの?』 『あ〜ぁ。私も若い頃は、よく、旦那の目を盗んじゃ『ガイジン漁り』に精を出してたんだけどなぁ。 この頃は、仕事もなくて、旦那が一日中家にいるもんだから、それもできやしないわよ』 などと女達は決して年のせいなどではなくあくまでも亭主のせいだということで意見が一致して話に花をば咲かせておるものであるが其れな会話へと別の女達が割り入り 『そう言えば、佐川さん、外国人だけじゃなくて、その辺の男共を手当たり次第ですって』 『あぁ。聞いた、聞いた。この間、田島さんの旦那さんが、佐川さんのところに通っているのがバレて、大変だったんですって』 などとしたるる話題で盛り上がる女達であるが其れな傍らに△がいることに気が付くや何やらバツが悪そうに手提げ袋からお菓子をば出して半ば無理矢理にして其を△へと手渡したるもので此を受けたる△子供心に今の会話は内緒にしておけということだなと理解をした。 -----*/ ma1d3n Facebook yositaka akase /*----- 【2018/06/03 追記 この錠の7と、 佐川 さんの 不起訴 が関連付きました。 このことは全く知らず、 錠 を進めていくと、物凄い数のものが関連付いていて、自分でもビックリするほどですが、今にして思えば、 《長期の仕事がなくなって帰って来る》 は、 辞任 か若しくは 不起訴 の件か…とは思えますが、 大阪地検 が 不起訴 とした理由は、きちんとあるそうですので、そちらをご覧下さい。 -----*/

【錠の6】

【錠の6】 /*----- 日立造船の半ば撤退とも取れるる事業縮小は其処での働き手やその家族の為にと建てられたる学校やら病院に鉄鋼業と当然小さな町工場にまで波紋を呼びては其処で働く者達の金の使いどころなる個人商店やら飲み屋も例外なく侘しなりさらばえてからに仕事の無い働き手は其れまでとは逆に他県にまで出稼ぎに出ることが増えておるの様も無駄なる拡張をば繰り返したる施設は大部分がそのままに放置をされるか一端更地にして駐車場にされることも多く人がおらぬるところに駐車場をとしても余計に金が掛かるだけで此の街に残るは相も変わらずに不気味なりし桟橋のものとも工場のものともつかぬる金属音だけであるの様でしかなく楽しみも金づるも一度に失いし女達は元々何も無い此の街の生活をば更に窮屈にと思うるようになりては生活の為よと亭主やら息子の稼ぎをあてにするようになるより他なく其れな機嫌を損ねぬようとかいがいしくも桟橋まで降りて其帰りを今か今かと待ち侘びるの毎日が侘し。 -----*/ ma1d3n Facebook yositaka akase /*----- 【2018/06/03 追記】 4,000人ほどの女性との交際歴を誇るかたがなくなった そうで、 覚醒剤の反応が出た そう。 フジテレビ の 報道プライムサンデー と、 TBS の サンデージャポン より。どうやら、このかたは、昔は鉄屑を拾う仕事をしていたこともあるそうで、避妊具の訪問販売をしていたこともあるそうです。その後、金貸しをしていたこともあるそうです。 錠の5,6,7 との関連が凄いですが、戦後のことの関連が凄いですね。 それより、これだけの関連であれば、下のようなことが懸念をされます。 良いことを狙って関連付ける場合があるとすれば、悪いことは…人の手というか、そういった存在があるとも考えられますが、気のせいですね。 世の中の解とは、全く違う正解が存在をしているとすれば、怖いですから。 -----*/

【錠の5】

【錠の5】 先に小分けにした、 錠4 を含む、ちょっと長い章です。 人種差別ではなく、昔の日本の、面白い部部を書いているということです。 元気でごった煮状態であった時分のことです。 と、いうことにして下さい。 他では、逆に男性のことを書いていますね。 他国にも戦争の傷跡があるのかもしれませんが、日本にも日本の傷跡があると思いますし、そんな中でも生きてきた。ということです。 リズムというか、調は、まだ考えにいれていません。 /*----- △未だ幼き頃の此れな街は造船業やら鉄鋼業での発展があり其れ故に他県からも沢山の働き手が集まるほどの賑わいのこと日立グループが持つ造船所へも外国籍なる船が入港をばすること往々でさて其れな時など地元の女達が挙り『ガイジン漁り』なる男漁りに奔走をばしておるの様なるに△の両親が営んでおる飲食店にと外国籍船は長であるドイツ人が立ち寄りたる時分も当のドイツ人が箸をば巧くに使いながらと食事をばすることに皆一様に驚いており 『まぁ、ガイジンさん。箸の使いかたがお上手ねぇ』 などとあざとくも目をば付けたる女性客が聞くも当のドイツ人にしてみれば何をば言われておるのかなど理解ができようはずもなくあいや仕方無しと流暢なる英語でゆるりと話て何とか会話を成立させようと試みるのであるが居合わせたる日本人からすると其れな英語ですら小難しい呪文のようであるからして理解のできよう者などとんとおらずなもので△はというや其れな言葉がドイツ人の母国語ですらないと分かるや其れな教養の高さに衝撃をば受けておるのことでさては夜になるや何処からともなく現われたる欧州人達が女達の『ガイジン漁り』にと釣られて其処彼処にとある路地裏に消えて行くのことで勿論女達の中には亭主を持つ者もおるが仕事にしか楽しみをば見出せぬる亭主の目をば盗むことなど容易いことでありさて昼間には熱心なる労働者が夜分には裕福なる欧州人で賑わうこの街を花魁の街と呼ぶ者もおるほどであり未だ幼く其れな大人たちの情事なぞつゆぞ知らぬる△は昼間に出会う欧州人達の紳士的なる振る舞いやら教養の高さやらに何処か憧れをば感じておるようであるから時には物陰よりまた時には両親が営んでおる飲食店をば手伝いながらに彼ら欧州人達を其れとは悟られぬ

【錠の4】

【錠の4】 △の過去から、学校を卒業して、知り合いの年配の娘さんを、洗脳までする部分の序で、△を取り巻く状況の描写のうちのひとつです。 本当は、ひと纏まりだったんですが、ブログという体裁もあり、他、諸事情により、分割をしています。 《周りのうちの街…なので、動かないことです。》 後は、街の内側があり、人があり、それらが、時間の経過と共に、段々と動いていくわけですよね。 これは、街の発展と衰退という意味でも、データではないですが、そういう使いかたもある。ということで、勿論、物語ですから、そのままにデータとするわけにはいきませんが、自分なりの使いかたもあるわけです。 あまり、直せていませんので、 《〜のこと》 が多く、こぎみよくはないです。 /*----- しまなみ海道沿いのとある街にとある桟橋にと浮いておる浮き島は今日も不気味なる音をばたてておるものでそれな音は対岸にと観ゆるる工場の群れが発する金属の擦れ合う音やらそれらをば打ち据える音と何らの区別が付かぬるほどに似通るのことであるにそれな桟橋から対岸をば眺めておる△の傍へとこの日の終便である高速艇が入港をばしてきてさては海をば切り裂きながらと進むる艇は其によりできる波の端から白い飛沫をばあげており陸に目をばやるや桟橋をば上がるとあるターミナルでラジカセをば片手にした若者がツンツンとしたるる拍子を刻むる洋なるのの俗楽をば踊るのことであるも誰も其をば邪魔にと思うる気力すらなく今しがた桟橋にと着いたるばかりの高速艇からは疎らに乗客降りて草臥れたる足取りをしたままに街へと上がり始めるのこと其を見送る高速艇の若い二人の船員はこの日最後の作業とばかりに船体の清掃をば始めたるるものでそのうちのひとりは船首の手摺に捕まり船体へとおざなりに水をば撒いてもうひとりは船尾をば棒刷りでしかと擦るのことでありさては錆びれた金属音と工場の群れ…△がこの街について感じる殆ど全てを此のふたつが占めておるのことでそれな△はといえば幼少期から漫画家をば目指しておるも其はある時画家への夢へと変わりたもので幼き頃の△は近所でも悪評がたつほどの悪餓鬼であり好奇心旺盛なる快活さをば周囲に見せておるも長じるに従いてこれなる不気味な金属の街にと飲み込まれて行く姿が水面にと揺らめ

【錠の3】

【錠の3】 本文の前に、少し書かせて頂きますや、 錠の1や錠の2、他の物語や、その他の読み物と、インターネットにあるページやテレビや現実の、沢山のことが関連付きました ので、時間のあるときにでも、また、記させて下さい。 それから、ここまでの 錠 を、ストーリー以外の部分で少し書かせて頂きますや、 錠の1 では、歩く速さで場所が移り行き、移り行く情景を書いて、周りが、高井 頼子を観ているんです。 錠の2 では、△が、風と川のような海を観て、高井 頼子は、こういう子だと、思い浮かべているというか、想像をしているんです。 錠の3 では、時間は前後をしますが、△が、高井 頼子を観ているわけです。 周りの情景を、最低限にしか書かなければ、読んで頂けるかたも、高井 頼子を観ているということになるわけです。 絵画では、 視点の誘導 というものがありますよね。 同じように、小説にも、 視点の誘導 がありますよね。 それから、これは余談ですが、以前に、 インターネット上には、3兆のページがある。と書いたんですが、どうも、6.000兆以上のページがある そうです。 これは、少しくらい有名になろうと、まだまだ藻屑である。という戒めですね。 では本文をどうぞ。 -何ヶ月か前- 向島にとある件のコンビニでアルバイトの面接にと挑んでおる△が店の外で煙草をば吹かしておるや其処へと偶然にも立ち寄りたる高井 頼子が毛糸の手袋をば落としたるるもので其はおそらくとオーバーコートの衣嚢にでも仕舞い込んだるつもりがそうとはならずに落ちたるものをば気が付く△が拾うたものででは店から出て来た時分にでも声をば掛けてやるつもりが其の高井 頼子を観た途端に其れな△の考えは彼方へと流れて消え失せ歩き行く高井 頼子をば観ながらに毛糸の手袋のことがあるので戻るであろうやと其の場に留まりおれば案の定に其処へと戻り来た高井 頼子がまた店へと入り店員と話だしたるもので一連を静かに観る△はこの女は手袋のことをば聞いておるのであろうと思いながらも悟られぬように自身の上着の衣嚢にと仕舞い込んだる其をばぎゅうと握りしめながら高井 頼子のことをば観ておるのことし